こんにちは。
税理士の関口です。町田市つくし野で会計事務所を経営しています。
経営者にとって、税務署の調査ほど嫌なことはないでしょう。
特に悪いことしていなくても、警察官を見るとなんとなくソワソワしてしまうことありますよね?
税務調査も、悪いことはしていなくても、何かあるんじゃないかと、とても嫌な気持ちになります。
ただでさえ、昔のことを根掘り葉掘り探られるのは嫌なものです。
調査とはどんなことをするのでしょうか?
最初に、日程調整のために税務署から連絡がきます。
税理士が代理で申告書を提出している場合には、税務代理権限証書をつけます。
申告書に税務代理権限証書が添付されている場合には、税務署は、税理士に連絡します。
そこで、税務署側の希望日が伝えられます。
ただ、税務署の日程に絶対合わせないといけないかというとそんなことはありません。
忙しい場合には、日程をずらしてもらいます。
そのあたりの調整は、税理士がおこない、調査日が決定されます。
調査期間は、法人の場合、通常2日間。個人事業の場合には1日で行われることが一般的です。
ちなみに、飲食店などの現金商売の場合には、連絡がなく税務調査に入られることもあります。
この場合でも、税理士を依頼しているときには、税理士が来るのを待ってもらうことが出来ますので、来た税務署員にしっかりと伝えましょう。
一般的には、一人で調査にきますが、会社の規模によっては、2人で来る場合もあります。
初日の午前中は、会社の概要の確認が行われます。
●どんな仕事をしているのか?
●取引の流れは?
●帳簿付けをどんな風にやっているか?
●どんな帳票があるか?
●役員は何人か?
●組織図はあるか? など
会社の状況についての聞き取りが行われます。
会社の概要確認が終わったら、取引内容のチェックに入ります。
総勘定元帳のチェックをベースに、請求書や領収書など必要書類をチェックされます。
まず、売上のチェックが行われます。
私の経験だと、売上計上の処理がちゃんと行われているかで、その後の調査の厳しさが決まります。
売上計上をちゃんとやっているところは、その後の確認がちょっと甘くなる感じがあります。多少、経費が多くてもあまりいわれない傾向があります。
売上管理のずさんなところは、その後の経費のチェックも厳しくなる気がします。
今の調査は、売上の『期ズレ』と言って、決算日前後の売上高を徹底的に調べられます。。
今期の決算で計上しなければいけないのか?来期の売上計上で良いのか?
売上のチェックは、半日ぐらいかけて、徹底的に行われます。
一番最初に見られる売上管理は、しっかりと行いましょう。
決算日前後の売上計上時期の確認には、細心の注意を払いましょう。
売上のチェックが終わると、仕入と棚卸高のチェックになります。
仕入は、売上高ほど入念にチェックはされません。
請求書と支払いがちゃんと対応しているかどうかを見られます。
その後の棚卸資産のチェックとも絡んできますが、決算日近くに仕入れたものが、棚卸資産に残っているか?それとも売上られたものなのかなどを仕入のチェックの時に合わせて行なっているようです。
棚卸に関しては、得意先に預けているものはあるか?現場においてあるものはないか?など、棚卸資産の漏れを中心にチェックしされます。
売上と仕入、棚卸資産のチェックでだいたい1日目の調査が終了します。
2日目は、主に経費関係がチェックされます。
経費に関しては、よほどのことがない限り、論点に上がりません。
その経費が、事業に関係ないかどうかを税務署側が証明することは難しいというのがその理由だと思います。
個人で消費したタバコやお酒、食費などが経費として計上されてるのは論外ですが、余計は経費がのっているという点は、案外指摘されることは少ないです。
最後に、給料の計上と源泉徴収簿の確認が行われ、一通り終了になります。
給料のチェックは、本当にざっと見るだけです。
所得税のからみがあるので、法人部門と個人部門で管轄が違うからでしょう。
すべて終わると、2日間で確認した事項が説明され税務調査が終了となります。
そして、その後のやり取りは、基本的には税理士を通して行われます。
実際に、追加で税金がかかるのか、お咎めがないのかは、調査官も税務署へ戻って、上司に確認を取りながら行うようです。
そのため、確定するのには、税務調査が終わって1ヶ月程度はかかります。
税務調査は、嫌なものですが、適正に処理をしていれば、問題ありません。
税務署の職員も人ですから、あまり嫌な態度をとると、「絶対に何か見つけてやる!!」という気持ちになるでしょう。
税務処理について、ただで教えてもらえる良い機会だと思ってのぞみましょう。