こんにちは。
税理士の関口です。町田市つくし野で会計事務所を経営しています。
今回は、小切手と手形の違いを説明します。
小切手は、当座口座を持っている方が小切手を作成し、相手に渡します。
小切手を受け取った会社は、その小切手を銀行に提示することにより、小切手を現金にかえることができます。
会計上は、「現金」勘定で処理します。小切手は受け取った瞬間から、いつでも、現金に換金できるものです。
小切手を利用するメリットは、手数料が安いということです。
小切手帳1冊銀行から購入しますが、通常1冊1,000円ぐらいです。1冊50枚綴りですので、1枚につきかかる費用は50円です。
一方、振込手数料は、1回につき400円から800円かかります。
小切手を利用するデメリットは、管理が大変ということです。
小切手を振り出して、口座からその金額が引き去られるタイミングは、小切手を受け取った会社が銀行に提示した時です。
小切手を振り出した月に、小切手を受け取った人が、全員銀行に提示してくれれば、まだ、管理はそれほど大変ではありませんが、月をまたいだり、何ヶ月も銀行に提示されない場合には、支払いは完了しているが、銀行から金額は減らないので、帳簿上の銀行残高と決算書上の銀行残高が合わない状態が続き、経理上つねに当座口座の残高とまだ提示されていない小切手の金額を把握しておく必要があります。
最近は、ネットバンキングで同じ銀行同士ならば、手数料がかからないなんて場合もありますので、管理のことを考えると、ネットバンキングを利用した方が良いかもしれませんね。
手形も、当座口座を持っている方が手形を作成し、相手に渡します。
手形を受け取った会社は、その手形を銀行に提示することにより、その手形に記載されている期日になったら、お金を受け取ることができます。会計上は、「受取手形」勘定で処理します。
手形は、相手が指定した日になると、現金に換金できるものです。ここが、小切手と手形の大きな違いです。
手形は、いろいろな種類がありますが、通常の支払手段で利用するというよりも、資金の融通として利用される場合が多いかもしれません。
例えば、製造業で、製品が完成して販売される前に、外注先の支払日が来ました。その時に、手形を発行して支払を約束しておいて、実際に現金が引き去られる日を製品が完成して、入金されるまで支払いを待ってもらうという感じでしょうか。
以前の借入金金利が高かった時代には、手形を振出す意味が高かったかもしれません。
しかし、現在のように、借入金の金利も1%台ならば、手形を振出すよりも、借入金をして支払いは振込で行った方が良いでしょう。
なぜならば、手形は、支払期限を2回守れないと、銀行との取引が出来なくなり、事実上の倒産です。
しかし、借入金であれば、期限が守れなくても、すぐに倒産ということにはなりません。
リスケ(条件変更)などの手段を使って、生き延びる方法があります。
手形は、利用するメリットよりもデメリットの方が大きいと思います。
当座預金の役割は、そろそろ終わりに近づいて来たのかもしれません。(関口)