2002年9月1日第1刷発行。409ページ。
慶應大学教授の佐藤雅彦さんが経済財政担当大臣(当時)の竹中平蔵さんに経済のことを質問し、教えてもらう様子を書籍化した。
私が、特に面白いなと思った言葉は、次の3つです。
「お金には3つの役割がある」
「税金は、ヤクザのみかじめ料のようなもの」
「日本の場合、サラリーマンの30%は所得税を1円も払っていない」
アメリカの経済、ヨーロッパの経済やアジアの経済について、とてもわかりやすく解説されている。
ソビエトや中国など、共産主義の国は、今やほとんど崩壊している。
ソビエトなどは、計画経済で、相当に優秀な人が計画して経済を回していたはずである。
その共産主義国家が崩壊している。一見、資本主義のほうが無駄が多く、共産主義のほうが、合理的なような気がする。
しかし、共産主義と資本主義を比較すると、現時点では資本主義の方が優秀なシステムということが言えると思う。
この本を読み終わったら「経済学というのは、本当に学問なのであろうか?」という疑問が残った。
経済政策を行う時に、たとえば、アメリカと同じことを日本でやると、同じ結果になるかと言うとそんなことはない。
過去を分析しても、まったく同じ条件で行うことは不可能だから、想定通りことは進んでいかない。
どこまで研究しても、政策の結果の再現性をはかることはできないのだから、経済学とは、単なる結果論になってしまうのだろうと感じた。(関口)
第1章 お金の正体・・・貨幣と信用
第2章 経済の怪しい主役 ・・・株の話
第3章 払うのか 取られるのか ・・・税金の話
第4章 なにがアメリカをそうさせる・・・アメリカ経済
第5章 お金が国境をなくす・・・円・ドル・ユーロ
第6章 強いアジア、弱いアジア・・・アジアの経済の裏表
第7章 今を取るか、将来を取るか・・・投資と消費
第8章 お金儲けはクリエイティブな仕事・・・起業とビジネス
第9章 人間とは「労働力」なのか・・・労働と失業
終章 競争か共存か