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続・会計の歴史

2016年10月11日(火)

こんにちは。

税理士の関口義宏です。町田市つくし野で、会計事務所を経営しています。

 

現在使われている複式簿記は、14世紀にイタリアで初めて書籍として表されたと言われています。

その時は、会社の規模や取引の量も少なかったので、お金を受け取った時に売上を記録し、お金を支払った時に経費を記入する、いわゆる現金主義で記録していました。
 
それから約200年後の16世紀になると、世界初の株式会社と言われている東インド会社が設立されるなど、会社の規模や取引の量も多くなり、現金の出入りの時に帳簿をつける現金主義では、いろいろ不都合が出てきたため、1年ごとに会社の業績を表す期間損益計算と売上の事実が確定した時に売上を記録し、支払いの義務が発生した時に経費を計上する、発生主義に移行しました。
発生主義では、現金の動きに関係なく帳簿に記入することで、帳簿から恣意性を排除するできました。
 
 
さらに、200年後の18世紀のイギリスでは、近代会計学が発達します。
この頃は、産業革命により蒸気機関などが発達し、会社もますます大規模化してきます。
このころから、巨額の設備投資をする会社が出てくるようになります。
設備などの固定資産は、1年使い切りではなく、10年、20年と長い期間にわたり会社の収益に貢献する物です。しかし、今までの会計のやり方では、設備の購入の支払い義務が発生した時に、全額を経費に計上します。
 
例えば、次のようになります。
1年目                        2年目                   3年目
売上高    100            売上高  100          売上高 100
設備費  1,000            設備費     0           設備費     0
利益    ▲900            利益     100           利益     100
 
これだと、1年目の赤字がずっとのこり、10年目になりようやく黒字になります。
経営者にしてみると、初年度の設備投資の負担が非常に重くのしかかります。
そこで、減価償却という考え方が発達します。
減価償却とは、設備投資した金額をその固定資産が、使用する年数に応じて経費にしようという考え方です。
 
上の例の設備が、20年間使える設備だった場合を見ていきましょう。
1,000の固定資産を20年使うので、1,000÷20年=50。1年あたり50が経費になります。
1年目                       2年目                     3年目
売上高     100              売上高      100           売上高   100
減価償却    50              減価償却     50           減価償却  50
利益        50              利益         50           利益      50
 
設備費の1,000を使用可能期間で分けることで、利益もでこぼこにならずに、固定資産に関する期間損益計算が整いました。
 
これにより、現在使われている会計の基礎が全て整いました。
会計は、700年以上も前の知識がベースになっている、ちょっと古めかしい考え方が今も続いています(関口)。

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