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経営者は、損益計算書で何を見る?

2016年05月02日(月)

こんにちは。

税理士の関口義宏です。町田市つくし野で、会計事務所を経営しています。

 

損益計算書は、P/L(Profit and Loss statement)とも言われ、一定期間の会社の営業成績を表します。

「3月の業績はどうだったかなぁ」と思ったら、損益計算書を確認します。

 

一番上に収入である「売上高」が記載されていて、そこから、「仕入高」や「人件費」「経費」「支払利息」などの会社でかかった費用を引いて、結局いくら黒字だったか?赤字だったか?を表示します。

経営者は、損益計算書を読むのは得意です。ほとんどの人がわかります。

 

損益計算書には、5つの「利益」が表示されています。

【売上総利益】【営業利益】【経常利益】【税引前当期利益】【当期純利益】です。

それぞれの利益は、意味を持っていますが、しっかりと確認すべき利益は【売上総利益】と【経常利益】です。

 

【売上総利益】=売上高-売上原価

【売上総利益】には、粗利益とかアラリなど色々な呼び方があります。経営上、売上総利益はしっかり確認しておきましょう。

売上だけを見ていて、売上が上がったと喜んでいる方は、特にご注意ください。

値引きをして、大量販売して売上が上がった場合、忙しくなっただけで、会社に残る利益は、ほとんど変わらないか、減っている場合があります。

そんなことを防ぐためにも、売上総利益を確認しておくことがポイントです。

 

【営業利益】=売上総利益-販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費とは、給料や家賃、水道光熱費、広告宣伝や教育費など会社をやっていく上で、必要な費用です。ちなみに、この販売費及び一般管理費は、売上が上がっても、下がっても、あまり変動しない経費です。

営業利益は、会社が本業でどれくらい利益を上げているかを表します。

 

【経常利益】=営業利益+営業外収益-営業外費用

営業外収益とは、受取利息や雑収入などの収入。営業外費用は借入金利息などです。

経常利益は、会社が毎年行う活動によってあげた利益です。

 

【税引前当期利益】=経常利益+特別利益-特別損失

特別利益、特別損失は、会社の通常の活動では発生しない項目です。車を売って出た利益や台風などの自然災害により、シャッターが壊れた損失などです。

税引前当期利益は、会社のすべての活動によってあげた利益です。

【当期純利益】=税引前当期利益-法人税等

当期純利益は、最終的に会社に残った利益です。

当期純利益分だけ、現金預金が増えるわけではありませんので、注意が必要です。

当期純利益は、全てが現金預金になるわけではなく、設備投資に回されたり、借金の返済に充てられます。さらには、売掛金として残っていて、まだ回収されていない金額も、当期純利益に含まれます。

何にも使われず、ちゃんと回収された金額のみ、現金預金に加算されます。

 

利益が出ると、税金の支払いが出てきます。税金を払い終わった半年後、予定納税と言って、来年の税金の前払が国から請求されます。

利益が出たからといって、お金をたくさん使ってしまうと、税金が払いきれなくなりますのでご注意を!!

 

損益計算書では、売上高だけでなく、売上総利益もセットで見るクセをつけましょう!!(関口義宏)

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