こんにちは。税理士の関口です。
町田市つくし野で会計事務所を経営しています。
私は、2017年8月中旬、お盆休みのころ、近くの金融機関にお金を借りに歩いていました。
目的は、私の顧問先がなるべく多くの資金調達ができる道筋を作ること。
金融機関との付き合いをして、いろいろなところに融資の相談ができるようにしようと思いました。
今、銀行や信用金庫からの融資には、保証協会付きの融資とプロパーの融資があります。
保証協会付きの融資とは、保証協会の融資保証がついています。
金融機関がA社に融資をします。もし、そのA社が倒産して返済できなくなった時、保証協会が、融資金額の80%を金融機関に返済します。そして、保証協会は、社長にその債務を請求します。
保証協会付きの融資の場合、銀行や信用金庫のリスクは、融資金額の20%です。
ちなみに、保証協会が融資の保証をする原資は、融資を受けた会社が負担します。
会社が負担しているのだから、保証協会が、金融機関へ返済して終了かと思ったら、保証協会は、社長に弁済を求めます。
一方のプロパー融資とは、全額銀行や信用金庫の責任行う融資で、もし融資を受けた会社が倒産した場合、銀行や信用金庫は、全額損を受けることになります。
そのため、金融機関としては、できることならば、保証協会付きの融資をしたいのです。
しかし、私としては、顧問先がなるべく多くの資金調達をする道筋を作ることが目的です。
保証協会付きの融資は、保証協会が融資の判断を行いますので、どの金融機関で申し込んでも結果は同じです。また、同時にいろいろな金融機関で融資を申し込んだところで、それを集約して保証協会が全体で融資判断をします。
5つの銀行から、300万円ずつ融資を総額1,500万円運転資金として、申し込んだ場合を考えてみましょう。
5つの融資のすべてを保証協会付き融資の場合、5つの銀行へ申込を行いますが、5つの融資全てが保証協会の判断で行われます。保証協会が全てを集約して、運転資金としては1,000万円までしか融資を出さないと決めたら、1,000万円融資を受けられません。
一方、プロパー融資は、各金融機関でそれぞれが融資の判断をします。5つの銀行全てに運転資金として300万円ずつ融資を申し込みをした場合、各金融機関は、その会社が他の銀行に融資を申し込んでいるかはわかりませんから、それぞれ融資の判断を行います。仮に、4行から融資を受けられたとすると、1,200万円の資金調達ができます。
このように、保証協会を通さずに融資を受けられるようになれば、資金調達はだいぶ楽にできるようになります。
自分自身が、プロパーで融資を受けたことがないのに、お客様に対して、プロパーで融資をすすめることはできませんので、自分のところで挑戦してみました。
ほとんどの金融機関では、「まず、保証協会付きの融資から始めてください」と言われました。
その後、金融機関に検討していただき、プロパーの融資を出してくれた金融機関、断られた金融機関などいろいろでした。
多摩信用金庫だけは、何も言わず、プロパー融資を検討してくれました。
まず、プロパー融資ができるかどうか検討し、難しければ、保証協会付きを検討すると言っていました。
なぜかというと、保証協会付きの融資であれば、どの金融機関でも同じだから、まず、プロパーを検討すると言っていました。
金融機関との付き合い方をしっかりと考えましょう。