こんにちは。税理士の関口です。
町田市つくし野で会計事務所を経営しています。
よく、「無借金経営を目指しましょう。」と耳にします。
多くの方が、借金というと、ネガティブなイメージがありますので、無借金経営の方が当然よいと思いがちです。
はたして、本当でしょうか?
資本金1,000万円で会社を設立した場合、経営者にとって、次の1と2では、どちらが経営しやすいでしょうか?
1.借入をせずに1,000万円で会社を経営する
2.資本金分借入をして、お金2,000万円にして会社を経営する
1の無借金の会社は、自己資本比率100%。2の借金をした場合は、50%。
自己資本比率は、高い方がよいとされますから、無借金経営の方が、良いということになるでしょう。
しかし、分析は、あくまでも分析です。会社を経営する場合には、手元のお金がたくさんあった方がよいです。
会社経営をすることにおいて、お金は最も重要な要素です。
お金は、多ければ多いほと良い。
意思決定の幅が広がるし、時間的な余裕ができる。
他の会社と差別化も図れます。
効率を考えても、借入金をしたほうが有利です。
1,000万円で会社を設立して、お金を0になるまで使う経営者はほとんどいないでしょう。
日々経費がかかりますから、多少余裕を持って、少しはお金を残すでしょう。
会社にお金が1,000万円あったとしても、800万円は使って、残り200万円は何かのときのために手元にとっておきます。
一方、1,000万円借金をした場合、資本金の1,000万円を全て使っても、まだ、借金したお金が手元に残ります。
借金した場合と、借金しなかった場合で、200万円の差が生じます。
とてもわずかな差かもしれませんが、このわずかな差が、将来大きな差になっていくのです。
借入金は、結局返済しなければいけないから、大変だし、うまくいかなかったら、とても怖いものと思っている方もいるでしょう。
しかし、手元に借入金残高程度のお金を持っていれば、実質的には無借金の状態です。
何かあれば、すぐに返済できます。実質無借金の状態を目指しておくことが重要です。
借入をして、手元にずっと持っていたのでは、借入をしないのと一緒と思うかもしれませんが、上記の例のように、手元のお金を借入金をしていることにより、手元のお金は、最大限に有効活用できます。
実質的に無借金の状態を保つためには、使わずにおいておく必要はありますが、借金をしているために、資本金の1,000万円は全て使っても、会社のお金は0にはなりません。
無理に借入をする必要はありませんが、借入金をすることにより、会社にとってよいことがあるのであれば、選択肢の中に入れてもいいと思います。
また、中小企業は、成長するためには、借入金を活用することが重要です。