こんにちは。
税理士の関口義宏です。町田市つくし野で会計事務所を経営しています。
先日、顧問先の社長さんとお話しした時に、教えていただいたことがありました。
今、海外の会社は、手形は使わない。決済は、現金で会社によっては、前払いが必要なこともあるということです。
手形とは、一定の資格や権利を証明する書面のことで、通行手形や約束手形などです。
会社経営上は、約束手形や為替手形など、支払手段として用いられます。
手形の起源は、中世ベニス、ゼノア等の地中海の商業都市間に行われた貿易の送金のために両替商が発行したと言われ、日本の現行の手形制度は、明治以降ヨーロッパの制度を取り入れて発展させたものと言われています。
手形発行の目的は、主に3種類に分けられます。
商業手形と手形貸付、融通手形です。
商業手形は、手元に現金がない場合に、約束手形を発行して、例えば3ヶ月後に支払うことを約束して、代金を待ってもらう方法です。
手形貸付は、読んで字のごとく、金銭を貸し付けるにあたり、借用書に代わり借主が貸主に代金を払うことを約束するために、振出す手形です。
融通手形は、資金に余裕がある者が手形を振り出し、資金繰りの苦しい人に渡し、その手形はすぐに銀行で割引されて当面の資金に充てられる。
手形は、手元に資金がなくても、代金の支払いができるので、一見便利なように見える手形ですが、期日に遅れてしまうと、すぐに銀行の取引停止になり、倒産してしまいます。
振出す方は、資金に余裕がありその上で、手形を発行するのであれば、問題ないように思うが、皆様も経験していると思いますが、現金預金はいつの間にかなくなってしまうので、現金預金があるのであれば、すぐに支払ってしまう方が良いでしょう。
一方、手形を受け取った側は、締め後3ヶ月から6ヶ月間は資金化できない。
割引き出来ますが、手形を割り引く時には、まず、銀行に手形割引きの枠を申請します。
今の銀行は全くリスクを取らないので、手形割引きの枠に対して信用保証協会の保証を設定します。そこで、保証料がかかります。そして、割引を実行するときには、割引料がとられる。案外、コストがかかります。
手形については、振出す会社、受取る会社、その手形が裏書手形だとしたら、裏書きした会社など、色々な会社が関わっているので、私の認識では、リスクは少ないと思っていますが、銀行がわざわざ信用保証協会の保証を設定しているということは、銀行はかなりリスクが高いと考えているのでしょう。
手形自体に、リスクがあるのに加えて、現金化されるのに時間が必要です。そして、コストもかかる。
顧問先の社長さんは、手形は、管理が大変でそのためには人を雇わないといけなくなります。
もっと世の中の仕組みをシンプルにして無駄なコストを減らし、本来の事業経営に集中できたほうが、社会にとってプラスに働くと思う。また、すぐに現金化できた方が、お金が世の中をたくさん回るので、景気も良くなるはず。
そうすれば、多少税金が多くても支払えるとおっしゃていました。
何事もシンプルにするのが一番ですね。(関口)