2011年7月1日 新装版第1刷発行。299ページ。
経営の本質を伝えてくれる本。たまに読んで、自分の想いをリセットすることに活用できるかなと思った。
経営者は、最終的には、自分の理念を持ってその理念を目指して経営して行くことが本質だと思う。
私は、経営理念が重要という本を過去に何冊も読んでいて、読むと「なるほど、そうだよね」と納得してきた。
しかし、私は、毎日仕事の中で、理念を忘れ、目先の売上に目がくらんでしまったり、利益優先の考え方になってしまう。
目先の利益を追う意思決定が、結局事務所の繁栄に直結する意思決定につながらないという事を気がつかせてくれた。
私は、本を読み終わると、大抵の本は、売却するが、本書は、本棚にとっておこうと思った。
理念の考え方がほんの序盤のに掲載されており、心の中で「言っていることはわかるが、そう入っても、実現は難しいなぁ」と呟きながら読んでいた。
読み進めると、色々な会社の実例が掲載されており、「実践できている会社もあるんだ。みんなができていないことだから、実現できることに価値がある」と思い、少しずつでも、実現していこうと思い直した。
関口会計には、『適正な税務申告を行うこと。顧問先経営者の本当に役に立つことを行う』という理念を掲げている。
理念自体をもっとしっかりと考え、より良いものにしていこうと思う機会を本書が与えてくれた。
また、これから、AIが進化して行く中において、スタッフの方々の働き方が、今以上に、事務所の繁栄や継続に大きな影響を与えることとなるので、しっかりと理念をスタッフの皆さんへ浸透させて行くことの大切さを学んだ。
【目次】
第1章 成功する経営者の条件
⒈経営者に必要な三つの資質ー哲学者・教育者・思想家
⒉経営を円滑に進めるための三つの資質ー戦略家・演出家・実務家
⒊経営を成功に導くための最後の資質ー努力家
⒋感動経営を実現する三つの要素ー感動・歓働・貫道
⒌成功した経営者に共通する三つの条件ー志の高さ・仕事の大きさ・思索の場の深さ
第2章 繁栄の永続は初心に会う
⒈企業の命題、目的、理念とは何か
⒉顧客満足をつくる経営の二つの側面ー理念と戦略
⒊顧客満足をつくる経営の二つの機能ーマーケティングとイノベーション
⒋理念が戦略を確定するー芝寿しとN住宅のケース
⒌消費者主権が象徴しているもの
第3章 理念は高木志より出る
⒈仕事とは何か
⒉人は何によってどう気づけられるか
⒊ビジョナリ・リーダーとしての松下幸之助の志
⒋松下幸之助の経営理念と自然の理法
⒌豊田佐吉・喜一郎の志を受け継ぐトヨタの理念
第4章 経営理念はどのように作られるか
⒈経営理念の役割とは何か
⒉経営理念が企業のピンチを救うージョンソン・エンド・ジョンソンのケース
⒊経営理念のつくり方ー日本創造教育研究所のケース
第5章 理念を浸透させる教育の手法
⒈経営理念と組織づくり
⒉経営理念を浸透させる三つの教育ー職務教育・態度教育・可能思考教育
⒊理念教育の実例ートーマス・ワトソンとジャック・ウェルチ
第6章 理念はどのように現実化されるか
⒈経営理念と事業領域
⒉ソニーの独自性と理念のかかわり