2014年5月27日 第1刷発行。181ページ。
本の題名で敬遠する方もいるかもしれないが、内容は経営者の心構えなどがとてもわかりやすく書いてある。
シェアをとりすぎてはダメとか競争相手は倒す相手ではないなど「そんな甘いことを言っていたら、今の時代すぐ倒産しちゃうよ」という方もいるが、経営者は、何でもかんでも打ち負かせばよいわけではなく、上手にバランスをとって経営していくことを教えてくれている。
どんなものにも、表と裏がある。そんなこと当たり前のことを日常生活では忘れてしまっている場面が多々ある。気がつくと自分のことだけを考えて行動している。そんな状態が長く続くといつかバランスが崩れてしまう。本書を読んで、視野を広げ、物事の表を裏を考えながら、生活していく指針としたいと思う。
「従業員のおかげで経営者があり、経営者のおかげで従業員がある」
どちらがえらいわけではなく、お互いを尊重しながら仕事ができる組織ができるのがすばらしい。私は、自分の信じる道を突っ走ってしまいがちで、スタッフのことが考えられない状態によくなってしまうので、たまに、この考えを思い出して、仕事をしていくと、事務所もよい方向に進んでいくだろうと思った。
お客様がいないと企業は成り立たないが、過剰なサービスを要求するようなお客様に対しては、毅然とした態度で対応する必要がある。
おもてなしの心が大切で、千利休が確立した茶道は、お客を待ち受ける主人とお客がお互いに啓発し、成長しあうといいます。会計事務所は、顧問先との関係で、一方的にサービスを提供するのでは、お互いに成長出来ないので、啓発しあう関係を築いていく努力が必要だと気がついた。
「人を育てるには、自ら気づき、学んだことでないと身につかない」と奈良法隆寺の金堂など多くの堂塔を復興した最後の宮大工棟梁西岡常一氏の唯一の弟子の小川三夫さんの言葉が載っています。
人を成長させるためには、完全な放任ではダメでと思うが、手取り足取り教えても身につかないし、指示待ちになってしまう。理入ではなく、行入がよいということを改めて教えてもらったので、出来る限り行入でスタッフの指導をしていくことにした。
一生懸命になると、私は、視野がとても狭くなってしまい全体が見られなくなってしまう傾向がある。本書は、視野を広くしてくれるのに役に立った。
いつもこの本をそばに置いて、事あるごとに読み返して、自分の立ち位置を確認しながら、視野を広く保っていく努力をしていきます。
目次
陰陽とは何か
1.組織の経営と陰陽
2.事業の経営と陰陽
3.財務の経営と陰陽
4.人材の育成と陰陽
5.経営者の人生と陰陽
6.リーダーの生き方の陰陽