こんにちは。
税理士の関口です。町田市つくし野で会計事務所を経営しています。
業種には、それぞれに形があります。
どの業種をやるかで、売上とそれに対する原価の割合は大体決まっています。
卸売・小売業は、売上に対する原価が80%から90%かかります。
建設業や製造業は、原価が50%程度。
飲食業は、30%が一般的です。
私が経営している税理士業などのサービス業は、原価が0%から10%ぐらいです。
業種の特性なので、何も考えないで経営すると、大体上記のような割合になります。
例えば、飲食店を独立開業するときには、ほとんどの人は、飲食店で働いたことのある人でしょう。
そういう人は、自分が修行したお店のやり方を引き継ぎます。これは、意識・無意識関係なく前のやり方を参考にします。
参考にすること自体は、悪いことではありません。
しかし、他のお店と差別化を図ることができません。
他のお店と差別化するには、売上と原価の割合を意識的に大きく変えてみることが有効です。
「俺のフレンチ」で有名な俺の株式会社は、原価率が80%でも利益が出るように設計されているようです。
通常のシェフは、原価を抑えることが会社から要請されているのですが、俺の株式会社では、原価をあげて豪華な食事にすることが要請されています。
すると、どんなことが起こるでしょうか?
他のお店と同じ料金を払ったとしても、とても豪華な食事をすることができます。
同じ料金を支払って、圧倒的に豪華な食事が出されると、人は感動して、口コミします。
口コミが広がると、広告宣伝費用はあまりかけなくてもお客様がたくさん来るようになります。
原価をたくさんかけるので、1組あたりの利益は少なくなります。それを補うために、たくさんお客様に来ていただく必要があります。
たくさんお客様に来ていただくということは、面積を大きくするか、回転率を上げるかどちらかの選択になります。
面積を大きくするということは、ホールスタッフが多く必要になります。
そういった経費を下げるため、立ち食いにして回転数を上げ、サービスはほとんどやらないことによる経費節減等の企業努力により、原価率が高く、豪華な食事を出しても、利益が出るようになっています。
最近、お菓子を買うと販売金額は変わらないけど、「前よりも小さくなってない?」と感じることがあります。また、入っている個数が少なくなっています。
これは、原価を下げて、粗利金額を増やしているわけです。
黙ってこれをやられると、消費者側からすると、相当がっかりしますし、軽くだまされたという感じが残ります。
最悪の場合、この会社のものはもう買うのをやめようとなります。
私の場合、会計事務所なので、原価はほとんどゼロです。
他の会計事務所と差別化を図るには、原価をたくさんかけてみようと思うこともあります。
しかし、その後の具体的な案が思い浮かばず、先に進んでいきません。
他社と差別化を図るのであれば、計画と実行力が必要ですね。